<仁義無き戦い>テーマの作曲家、津島利章を検索しているうちにやはり最後は、東映系に行っちゃいました。
あちこちサーフィンして、そこでヒットしたのが鶴田浩二でした。
不思議と印象に残っている鶴田浩二の映画に<日本暗黒街>があります。
1966年の作品です。
実はこの映画、今は無き新宿東口にあった<新宿昭和舘>の三本立てで観たものですが、題名をすっかり忘れていました。
急に思い立って記憶をたどり、タイトルを探し当てた次第です。
検索のキーワードは<鶴田浩二>、別に<村松英子>を別個に検索し照合した結果、題名が判明した次第。
何か、あの映画は活火山の記憶に残っている訳はストリーです。
言ってみれば陳腐な話なのですが、妙に残りました。
戦前、大陸(今の中国)で特務機関かそれに類した組織で生き残り、戦後帰国し、港神戸でサパークラブを経営しているのが主役の鶴田浩二です。
画面では、高級サパークラブとナイトクラブ(今はなくなりましたネ)を足して2で割ったような雰囲気、どちらかといえば日活系のクラブ的ムードでしょうか。
そこで、ピアノ弾いているのが村松英子でした。
慶応出のクールなフェイスの彼女が、東映のヤクザ映画にも出ていたんですネ。
そこに、待田京介演じるかっての特務機関の仲間が突如として現れるんです。
ところが、このシーンがカッコいいというかキザというか、まあ絵になっているんです。
ストリーの中では、戦後になってはじめての再会の場面です。
鶴田浩二は店の事務室にいます。
待田京介は店の客として登場し、ピアニストの村松英子に、曲をリクエストする。そのリクエストの仕方が普通ではないんです。
ナプキンか店のメニュウーの余白に五線譜をフリーハンド書き、そこに音符を書き添えてボーイ(ウェイター)渡し、村松英子がそれを弾く。
メロディーはかって、大陸にいた頃の鶴田浩二には忘れられない、今で言うならDNAに焼きこまれた曲です。
その曲で、事務室にいた鶴田浩二が店に出てきて、待田京介と再会する。
待田京介はかっての共通のボスで、今も使えているボスの命令で、鶴田浩二を迎えに来るシーンなんです。
鶴田浩二が言いますね。<今はしがないステーキ屋の親父だ>と。
その後のストーリーは忘れましたが、いずれにせよ、鶴田浩二は堅気の世界から、ヤクザの世界に引き込まれる内容。
その出入りにあたり、死を予感する鶴田浩二は、村松英子に預金通帳と印鑑を渡す。通帳を開くと、長い年月をかけて預金を積立てきたのが歴然する金額が並んでいる。
村松英子はかって、主人公の命の恩人か同僚の忘れ形見なんですね。
昨日は偶然にも、30年前にタイムスリップしたような気分で、今は薄くなりかけた記憶をたどりながらの夜となりました。
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